彼女のバースデーパーティー 当日編 その3
そして入店から30分ほど経ってから、ようやく彼女がやって来ました。
「凄いやん。良かったな」
「スゴクナイッ オキャクサン オコテル(怒ってる)」
「何で?」
聞くと予想以上の客にママが上手に彼女をつけることができず彼女が全然席に来ないと一部の客が怒っているようです。
さらに外で待っていたお客も何人か怒って帰っていったとか。
まさかこんなことになるとは全く予想できませんでした。
彼女はというとお客に怒られたのがショックなのか涙ぐんでいます。
「何泣いとんねん。お前が頑張らんとしゃーないやろ。ほら他の客、見とんで」
「デモ アナタ キタカラ」
「ワシのことはええから他の客についてこい。また帰ってまうで」
僕は泣く泣く彼女を追い返しました。
自分が座った席は店の一番奥。
ステージからは遠く離れ、変なレイアウトのソファの為とても狭くまるでお一人様専用席のようです。
しかし、一人でひっそりと飲む分には悪くなく、何より店全体がよく見渡せます。
女の子も全くつかないので僕は店全体を眺めていました。
(彼女のバースデーパーティーってあらためて考えると凄いな)
(何せ、彼女の指名客のほとんどが集う日だからな)
(ステージ脇の客が上客かな?何度か見かけたことあるな)
ふと彼女を見るとお客の間に挟まれて笑顔で接客しています。
(とりあえず一安心。あとはシャンパンタワーだけか)
ママにこっそり注文メモを見せてもらったところ3本が数人、ほとんどの客が1本、タワーはすでにほぼ満杯になるらしいので自分はとりあえず3本入れました。
そしてタワーが終わり最後に彼女がマイクを持ち挨拶。
無事終わってホッとしたのか泣きながら有難うを繰り返していました。
さて、このバースデーパーティー。
自分の滞在時間4時間。
彼女が隣に座った時間、トータルでおよそ20分。
女の子もほとんどつかず一人で飲んでたのでドリンク代がほとんどかからなかったので使ったお金は77,000円でした。