フィリピーナの彼女との2回目の夜
彼女との初めての夜から2週間ほど経った頃、僕はいつものように飲み会の帰りに彼女の店に立ち寄りました。
彼女は何かイヤなことがあるとすぐにお酒を爆飲します。
そして酔っぱらう。
フィリピンからやってきてまだ1年半ほど。
ホームシックやお店のストレスもあるんでしょう。
酔っぱらったときも、なるべく優しくしてあげようと思ってますが。
その日は、ついに僕の膝の上で寝てしまいました。
あ~あ、どうしようかなあ。
ママに任せて帰ろうと思い、ママを呼ぶと「あなたが帰って、お店で寝てると彼女ペナルティになるよ」と小声で言います。
どうやらお店の奥に監視役(マネージャー?店長?)がいるらしく、たとえ酔っぱらっていてもソファで横になってるとペナルティになるようです。
お店によっては、接客中に横になっててもペナルティの対象になるようですが、この店はお客の膝の上で寝てるなら大丈夫だそうで
ママが僕を帰らせないように嘘を言ってるんじゃないのとも思ったのですが、彼女をこのまま放って帰るのもなんだし、仕方なくお店にいることにしました。
ほどなく彼女は目覚め、開口一番こう言いました。
「アナタ キョウ オソイ ミセ イク(来る)?」
「え?帰るよ。明日仕事だし」
彼女がいう遅い店というのは、系列店で最初のお店(20時から2時まで)が終わったあとのお店(2時開店~お客さんが帰るまで)のこと。
そうです。
彼女たちはダブルヘッダーで働いているんです。
まるで現代の蟹工船ですね。
さて、酔っぱらった彼女は帰ることを許してくれません。
「ナンデ? アナタ ワタシトィル ヤダノ?」
彼女は普段とてもおとなしく「お店に来て」ラインすら寄こしませんが、酔っぱらうと本物のフィリピーナ(?)になります。
「アナタ カエルナラ ワタシモ アナタト カエル」
「やだとかじゃないけど。あなたは、まだ仕事だから帰れないでしょ?」
「それにもう今日はお金も無いし(ホントはあるけど)」
「ダイジョブ オソイミセ ワタシガ ハラウカラ」
彼女は財布から1万円札を取り出すとテーブルの上に置きました。
1万じゃ足りないだろ どっちみち彼女に払わせるわけにいかないけど
「わかった、わかった。じゃあ行くから」
そして遅い店で朝5時頃まで飲んだ後、彼女とそのままホテルに行きました。
そしてその日、結局夕方まで彼女と過ごした僕は、前回に続きまた仕事を休んでしまいました。
だんだんダメ人間になっていく